米中貿易交渉に伴う米国株式市場と経済見通し
今朝の通勤中に見たニュースですが、米国と中国がロンドンで貿易交渉を続けているそうです。
そのため、米国の株価指数先物はやや下落し、慎重な動きを見せています。
ダウジョーンズ先物は0.2%下落し、S&P500とナスダック100先物もそれぞれ0.1%ずつ下落しました。
前回の取引日にはS&P500指数がわずかに上昇しましたが、これはアマゾンやアルファベットなど大手IT企業の株価が少し上がったことが原因です。
貿易交渉は2日目に入り、特に中国のレアアース輸出制限問題と米国の半導体輸出制限が主要な争点となっています。
レアアースはスマートフォンや電気自動車のバッテリーなどの先端製品に欠かせない鉱物で、輸出制限が続けば世界のサプライチェーンに大きな影響を与えます。
一方で、米国は中国への半導体や技術輸出制限の緩和を検討しており、これは交渉の進展を示す兆候です。
しかしトランプ大統領が交渉は順調と述べるのとは裏腹に、中国側はまだ満足していない様子で緊張は続いています。
今週の経済イベントで最も重要なのは、明日発表される米国の消費者物価指数(CPI)で、インフレの上昇度合いを示す指標です。
物価上昇はトランプ大統領が課した関税の影響で輸入品価格が上がっているため、さらに高まっています。
今回のCPI結果によって、連邦準備制度(Fed)が金利政策をどう調整するかに注目が集まっています。
シティバンクのストラテジストは6月と7月は金利を維持し、9月からは利下げが始まると予測しています。
ここで言う基準金利は現在4.25%から4.5%の間で、簡単に言えば銀行同士がお金を貸し借りする際の利率です。
金利が上がると借り入れが難しくなり、消費や投資が減少しますが、金利が下がるとその逆になります。
アップルは本日の開発者会議でAI関連のアップデートを発表しましたが、市場の反応はあまり大きくありませんでした。
特にAI機能の中で電話通話のリアルタイム翻訳などが披露されましたが、投資家はもっと革新的な内容を期待していたようです。
また本日はJMスモーカーやゲームストップなどの企業が四半期決算を発表する予定です。
原油価格はやや上昇しましたが、貿易交渉が進展すれば燃料需要が増加すると期待されているためです。
ブレント原油は1バレル67.19ドル、WTI原油は65.43ドルとなっています。
結論として、米中貿易交渉は依然として不確実性が大きいものの、進展の可能性に市場は注目しています。
物価と金利の動向も今後の株式市場の方向性に大きな影響を与える見込みで、特にテクノロジー株の動きには注意が必要です。